電話回線の中には、固定電話(アナログ、ISDN)とIP電話、ひかり電話の3つの種類があります。これらの中で、最も古くからあるのが固定電話回線です。

今回は「NTT固定電話回線とは?メリット・デメリットを簡単解説」と題してNTT固定電話回線の概要やメリットなどについて分かりやすく解説します。今後IP電話通信網への切り替えなどが予定される中、IP電話への切り替えの必要性の有無についても併せて解説します。

NTT固定電話回線とは

NTT固定電話回線のメリットとデメリット
NTT固定電話回線とは何かについての概要を紹介します。

NTT固定電話回線=アナログ回線・ISDN回線

NTT固定電話回線とは、家庭やオフィスなどに従来から用いられている電話回線のことを指します。
具体的には、回線に銅線を使用したアナログ回線とデジタルISDN回線の二種類があります。オフィスによく使用されているINS回線は、NTTのISDN回線のことです。ISDN回線は1本の回線で音声用の回線とインターネット回線の2本が使用できるという特徴があります。

かつては、アナログ回線が家庭用の主流として用いられていました。
光電話やIP電話が登場した近年では、固定電話回線は減少していますが、ISDNに関してはPOSレジやクレジットカード端末の通信用途などで現在も使用されています。

NTT固定電話回線の工事について

家庭やオフィスで固定電話を使用するためには、NTTに工事を依頼する必要があります。NTTに工事を依頼した場合には、以下の工事がセットになっています。

  • 交換機工事
  • オフィスに電話回線を引く場合に、内線電話と外線を接続するための交換機(主装置)を設置するための工事です。NTT局舎内での工事で、1回線あたり1,000円かかります。

  • 屋内配線工事
  • 電話回線を屋内まで通すための工事です。

  • 基本工事
  • 電話機を使用できる状態にするためにNTT側で行う工事です。

これらの工事の後に、ビジネスフォンの場合には主装置の設定や電話機の子機と主装置との配線工事などが必要になります。

NTT固定電話回線のメリットとデメリット

NTT固定電話回線のメリットとデメリット
NTT電話回線のメリットとデメリットについて紹介します。

固定電話回線のメリット

アナログ回線とISDN回線をIP電話回線と比較した場合のメリットを2点紹介します。

  • 災害に強い
  • 固定電話回線は、電話回線を通じで出力の供給を受けることができます。従って、災害などの際の停電時においても、電話回線がつながっている限りは電話を使用することができます。

  • 全国どこでも設置できる
  • 光回線は工事対象エリアが決まっていますが、アナログ回線の場合には全国どこでも設置が可能です。

固定電話回線のデメリット

固定電話回線のデメリットについて解説します。

  • IP電話と比べて月額基本料金・通話料が高い
  • プランにもよりますが、固定電話の基本料金や通話料はIP電話と比較すると高額になるケースが多いです。
    また、アナログ回線の場合には距離が遠くなればなるほど通話料金が高くなります。

  • 通信速度が遅い
  • インターネットやPOSレジ、クレジットカード端末などを利用する際、通信速度が遅いという特徴があります。

IP電話網への切り替えについて

需要の減少や変化に伴い、国内では2024年以降固定電話回線からIP電話への切り替え工事が始まります。
これによって、いま使用しているNTT固定電話が利用できなくなると勘違いをされるケースがありますが、2024年以降もそのままNTT固定電話回線を使用し続けられるように工事が進められるのでそのような心配は不要です。また、工事作業は全てNTT側で行われるため、家庭やオフィスなどで切り替え作業が必要なケースはありません。

ただし、INS回線でインターネット利用をしている場合、互換の際に通信時間がかかってしまうケースがあるので、使用上不都合を感じてしまうケースが予想されています。

まとめ

従来から電話回線として家庭やオフィスで一般的に使用されていたのがNTT固定回線です。
NTT固定回線には、銅線一本で通信を行うアナログ回線とデジタル化により2本の同時接続が可能なISDN回線とがあります。

回線を設置するためには、NTT側とオフィス内で設置工事が必要であるということも注意が必要です。

2024年以降IP回線化工事が始まりますが、現状も利用されているユーザーも多いので、メリットやデメリットを踏まえながら今後の切り替え工事などを検討していただけたらと思います。