IP電話は、月額基本料金や通話料金が安い電話として知られ、ビジネス用途での利用も広がっています。そのような漠然としたイメージを持ちながらも具体的なサービス内容や特徴についてはよくわかっていない・・・という方も少なくないのではないでしょうか。

今回の記事では、「IP電話とは?メリット・デメリットを簡単解説」と題して、IP電話の概要や特徴、用途などについて解説します。2024年以降にアナログ電話回線からIP電話回線への切り替え工事も始まり今後ますます存在感が大きくなっていくことが予想されます。ぜひ、正しい知識を身に着けて、事務所やご自宅に適した電話回線を選択してください。

IP電話とは

IP電話とは
IP電話とは何かについて解説します。

IP電話とは

IP電話とは、インターネットプロトコル(Internet Protocol)の略で、インターネット回線を利用した電話回線のことを指します。インターネットプロバイダーによって管理されていて、ビジネスフォン、家庭用電話、携帯電話などで使用することができます。

従来の固定電話回線と異なり、テレビ電話などの映像配信をすることも可能です。

IP電話の種類

IP電話は大きく3種類あります。単純に「IP電話」という場合は050型を指すのが一般的です。

OAB-J型
NTTひかり電話などが代表的なサービスです。東京03や大阪06などの市外局番から始まる10ケタの電話番号が割り振られており、アナログ回線と同等の高品質な通信品質が要求されています。

050型
一般家庭やオフィスなどで広く採用されている050から始まるIP電話です。プロバイダにより料金や通話品質は異なりますが、一般的にはOAB-J型よりやや通話品質が劣る反面、料金が安く設定されている傾向があります。

電話番号不要型(VoiP型)
SkypeやLINEなど電話番号を使用せずに通信するタイプの電話です。ビジネスでもサブ機器やビデオ会議用などに用いられるケースがあります。

IP電話の工事

IP電話を使用するための工事は以下の4つの方法があります。

通信キャリアのIPサービス
通信キャリアのIP電話工事は、回線の間にモデムを挟むことによりIP電話を使用できるようにするものです。通常のアナログ回線の工事にモデムの接続業務が追加になるということです。

IP電話ソフト
SkypeやLNEを使用する際には、PCやスマートフォンにソフトウェアやアプリをダウンロードして利用設定することで利用できるようになります。インターネット環境が整っている場合には、特に工事は必要ありません。

IP-PBXの設置
ビジネスフォンの主装置の代わりにIP-PBXを設置する方法です。LAN回線により電話機子機をそれぞれインターネットに配線することによりインターネットを利用できます。

クラウドPBXの設置
クラウド化によりインターネットを通じて無線でIP電話を使用できるようにするサービスです。

IP電話のメリットとデメリット

IP電話のメリットとデメリット
IP電話のメリットとデメリットについて紹介します。

IP電話のメリット

IP電話のメリットについて紹介します。

通話料金が安い
一般的に、固定電話回線と比較して月々の基本料金や通話料金が安く設定されています。プロバイダにもよりますが、同じプロバイダ同士の間の通話が無料だったり、海外通話が安くできたりするなどのメリットがあります。

配線工事不要で設置できる
IP電話は固定電話のように配線工事をしなくてもインターネット接続をするだけで利用することができます。また、撤去の際にも撤去工事が不要です。

インターネットに接続できれば利用できる
インターネットに接続できれば、場所を選ばず利用できます。また、携帯電話を電話機として使用することもできます。

IP電話のデメリット

IP電話のデメリットについて解説します。

別途電源が必要
IP電話を使用する際には、別途電源が必要です。停電時には使用できないというデメリットもあります。

緊急ダイヤルやフリーダイヤルが使用できない場合がある
プロバイダによっては「110」や「119」などの3桁の緊急電話やフリーダイヤルが使用できない場合があります。

通話品質が悪くなるケースがある
プロバイダによって、あるいはインターネットの通信環境によって固定電話などと比較して音声品質が悪くなってしまうケースがあります。

まとめ

IP電話は料金の安さだけではなく、配線工事が不要なことや場所に使用されずに利用できることなどのメリットがあります。また、ビデオ会議を始め、映像の配信が行える点も、特にビジネスでは大きなメリットとされています。

このようなメリットから、従来主流だった固定電話回線からIP電話に切り替える企業が増えています。2024年に固定電話回線のIP化も控えており、今後ますますそのような傾向は強くなっていくものと予想されます。

ご家庭やオフィスの電話環境をこれから変更される予定がある企業やご家庭では、選択肢の一つとしてIP電話を考えられてみてはいかがでしょうか?