毎月のコストを考えた時に、意外にウェートを占めているのが電話やFAXなどの通信費ではないでしょうか?IP電話や光電話など様々なサービスが登場する中、サービスを活用してコストの削減を考えられている企業もいらっしゃるのではないかと存じます。

今回は、「電話回線の月額費用比較!最もお得な回線はどれ?」と題し、固定電話回線とIP電話・契約内容によって月額費用がどのように異なるのかについて比較・解説します。

月額の基本料金の他に、海外との通話料金やIP電話同士が無料で通話できるプランなど、コストの削減につながるプランについて紹介しているのでぜひ参考にして下さい。

月額基本料金の比較

月額基本料金の比較
電話の月額基本料金は、電話を使用してもしなくても必ず1台(ライセンス)あたり発生する費用です。
電話料金に限ったことではありませんが、月額基本料金が高ければどんなに努力してもコスト削減をする方法がありません。まずは、NTT固定電話、IP電話、光電話の月額基本料金の概要について比較解説します。

NTT固定電話の月額費用

NTT固定電話回線(アナログ)の月額費用は、2,550円~/回線です。(事務所用の場合)
電話加入権が不要なライトプランの場合には、2,700円となります。

また、ISDN回線の月額は、3,530円~/回線、さらにライトプランの場合には、3,780円~/回線という価格設定です。

結論から言えば、IP電話や光電話と比較して月額費用が高いのが固定電話回線のプランです。

IP電話の月額費用

IP電話はプロバイダによって様々なプランがありますが、月額費用は無料~低価格に設定されているケースが多いです。

例えば、楽天コミュニケーションズの場合は月額380円~/回線に設定されています。
ただし、IP電話の場合に注意したい点としては、別途オプションとして設定されているプランが多いことです。

しかしながら、月額の安さを重視した場合にはIP電話が最も優位になるでしょう。

光電話の月額費用

NTT東日本の「ひかり電話」の場合、月額料金は500円~/回線です。

IP電話とほぼ同様の価格での料金設定で、固定電話と比較して非常に安い料金設定となっています。光電話の場合には、同系列のインターネット光回線を契約しなければならないという条件がありますが、音声品質の良さやMNPが可能というメリットもあるので条件を満たしている場合には非常にコストパフォーマンスに優れているといえるでしょう。

通話料の比較

通話料の比較
次に通話料についての比較を行います。
今回比較のために、固定電話(=NTT東日本アナログ回線)、IP電話(=楽天コミュニケーションズ)、光電話(=ひかり電話)のプランを参照しています。

NTT固定電話の通話料

NTT固定電話(アナログ)の通話料は以下の通りです。

  • NTT一般電話向け(市内)・・・9.18円/3分
  • NTT一般電話向け(県外)・・・21.6円~/3分
  • ドコモ携帯電話向け・・64.8円~/3分
  • アメリカ(ハワイを除く)への通話料・・100円/3分

以上の通話料が適用されます。

固定電話回線の場合、距離が遠くなればなるほど通話品質が悪くなるにもかかわらず料金が高くなってしまうという特徴があります。

IP電話の通話料

IP電話の通話料の例として、楽天コミュニケーションズの通話料について紹介します。

  • NTT一般電話など固定電話・他社IP電話向け・・・8円/3分
  • 楽天IP電話同士・・・無料
  • 携帯電話向け・・47.7円~/3分
  • アメリカ(ハワイを除く)への通話料・・24円/3分

大きな特徴としては、楽天コミュニケーションズ同士の通話料が無料に設定されています。楽天コミュニケーションズに限らず、同社サービスのIP電話間の通話を無料に設定しているIP電話会社が多いのはIP電話の特徴です。例えば、支社間や店舗本社間の通話が多い企業では、このようなプランのメリットを大いに生かせるでしょう。

また、固定電話向けの通話料に次いては距離にかかわらず一律料金が適用されるので、市外への発信が多い企業でもメリットが大きくなるでしょう。

固定電話と単純比較した場合に、特にデメリットのある項目はありません。

光電話の通話料

光電話の通話料として、ひかり電話(NTT東日本)のプランを紹介します。

  • NTT一般電話など固定電話・IP電話・ひかり電話向け・・・8円/3分
  • ドコモ携帯電話向け・・48円~/3分
  • アメリカ(ハワイを除く)への通話料・・27円/3分

光電話の場合もIP電話と同じように距離にかかわらず一律の通話料が設定されています。
また、ひかり電話の場合には光電話同士が無料になるプランは設定されていませんが、例えばauひかりではIP電話のようにKDDIグループのIP電話との通話料が無料になります。

通話料の比較まとめ

固定電話、IP電話、光電話の通話料をそれぞれ一社ずつ例に出して比較しました。

市内の通話料金という点では、それぞれどの電話回線を選んでも大きな違いにはなりませんが、市外や海外への通話料や携帯電話宛の通話料、IP電話同士の通話料などを踏まえるとかなりコスト削減効果が期待できる企業もいらっしゃるのではないでしょうか。

ただし、あくまでも1分あたりの通話料や特典(同じIP電話会社同士の通話が無料になるか否かなど)はサービス会社ごとによって異なります。

また、今回国際電話の例としてアメリカを参照しましたが、プロバイダごとに強みを持っている地域があります。例えば、中国とのやり取りが頻繁な企業は中国向けに安いプランが設定されている事業者を選ぶなど、プランを細かく確認することで、さらなるコストメリットを図ることができるので、導入を検討される際にはぜひ検討をしていただきたいと存じます。

まとめ

今回は、月額費用の観点から電話回線の選び方について解説しました。

ランニングコストの観点からもIP電話や光回線のメリットがある点が確認いただけたのではないでしょうか。このメリットを最大限に活用するには、さらに細かくプランを確認されることをおすすめします。IP電話同士無料のプランやよくかける地域が安いプランなどを活用していただくと、コスト削減効果はさらに大きくなることが期待できます。